日本の教育を支える教員のなり手がいない!

教員を志望していた大学生、「諦めた」「後ろ向き」5割超 企業調査(朝日新聞 5月8日)
 
〇教員を志望したことのある大学生のうち、
半分以上が志望することに後ろ向きになったり、志望をやめたりしている──。
講師や家庭教師を派遣する企業「トモノカイ」が、そんな調査結果を明らかにした。
教員の長時間労働を理由に挙げた学生も目立った。
公立学校では、新年度早々から必要な数の教員が配置されず欠員が出る
「教員不足」が問題になっているが、なり手不足の背景事情として注目される。
 
〇同社によると、教育系のアルバイトを紹介するサイトに登録する学生を対象にインターネットで調査した。
教員を志望したことがある384人が回答した。
 
〇「今も志望しているか」という問いに「していない」と答えたのが25・4%、
「迷っているがどちらかというと後ろ向き」が26・5%で
計51・9%が教員になることを諦めたり後ろ向きになったりしているという結果が出た。

〇教員志望だったがやめたり後ろ向きになったりした学生に一番の理由を聞いたところ、
「労働時間が長く、部活動や行事などで休日出勤も多いことを知ったから」が最も多く53・6%。
次いで「教職課程の履修科目が多いなど教員になるまでの道のりが遠いから」が9・7%で、
「公立校は残業代が支給されないから」と回答した学生は9・2%だった。

https://www.asahi.com/articles/ASR585T1SR51UTIL03J.html


◇以前から問題になっている教員不足、
教員志望の減少に歯止めをかけなければ、日本の教育の未来はない。
つまりそれは、日本の未来がないということだ。

◇今回の記事には、教員を志望しない理由の一端が挙げられているが、
私が考える教員志望の減少の要因は、聖職という考えの消滅、
つまり、一般の職業と同じ括りになってしまったこと、
そして、90年代の不適格教員狩りから教員に対する社会的地位の低下、
その二つがあるのではないかと思われる。

◇もっと言えば、公務員の待遇の良さに対する社会的批判が根底になり、
公僕としての尊厳や社会的評価が下がったことが問題なのではないかと思う。
教員や公務員よりも一般企業人の方が優秀だといった評価、
教員や公務員は、非常識だという評価が、社会的に一般化した結果、
このように教員志望が減ってしまったのではないか。

◇政府は、少子化対策を掲げるが、それと同じように、
教員志望減少に歯止めをかける対策を行ってほしい。
人つくりは、非常に価値の高い職業だ。
そのことをしっかりアピールする政策を実行してほしい。