義務教育段階で、AI教育は必要か

夏休みの宿題、生成AIに作らせるのは「不正」 文科省の指針案判明(朝日新聞 6月22日)
 
〇「ChatGPT(チャットGPT)」のような、
文章・画像を自動的に作り出す「生成AI(人工知能)」の使い方をめぐり、
文部科学省がまとめた国公私立の小中高向けガイドライン(指針)案の内容が判明した。
日々の学習での使い方の注意点や、
読書感想文など夏休みの課題をめぐる指導のあり方などについて具体例を列挙している。
 
〇指針案は「生成AIを使いこなす力を育てる姿勢が重要」としつつ、
著作権侵害や批判的思考、創造性への影響といった懸念やリスクもあると指摘。
基本的な考え方として「限定的な利用から始めることが適切」として、
一部の学校では試験的な活用を進め、成果や課題を検証するとした。
 
〇ただ、学校外で子どもが使うことも想定されるため、
情報の真偽を確かめる習慣づけといった、
情報を活用する能力を育む教育はすべての学校で一層充実させることも必要と指摘した。
 
〇学校向けに、具体的な注意点も示した。
例えば、夏休みの読書感想文や各種コンクールに応募する作品について、
生成AIに作らせたものを本人の成果物として提出することは不正行為だと、十分指導することが必要とした。
また、定期テストや小テストといった学習評価に関わる場面で使わせることなどを不適切な例として挙げた。
 
〇一方、適切な使い方として、
グループ討論の途中段階で考えをまとめた後に、
AIを使って見落としていた視点に気付いて議論を深めるといった例を挙げた。
 
〇文科省は、生成AIが急速に普及し、
教育現場で活用を模索する動きが出始める一方、
様々なリスクも指摘されていることから、
「各学校が活用の適否を判断する際の参考資料」として指針案を作成。
「一律に禁止・義務づけを行う性質のものではない」とする。
近く公表する方針で、今後も随時更新するという。(久永隆一)

https://www.asahi.com/articles/ASR6P7567R6PUTIL01H.html

◇「Chat GPT」等のAIが大流行りだが、義務教育段階で、
記事にあるような「生成AIを使いこなす力を育てる姿勢が重要」なわけがない。
義務教育段階は、身体訓練と思考の型を知る場だから、
まずは、自分で色々なことに取り組む姿勢が大切なのだ。
便利な道具を使いこなす力が必要なのではない。

◇何でもかんでも、社会で流行っているからと言って、教育に取り込む必要などないわけで、
特に、自分自身の思考もしっかり出来ない段階で、生成的AIを使うことは意味がない。
批判的思考があって初めて、生成的AIの成果物を吟味し、活用できるわけだから、
その批判的思考がある程度出来始める段階から、教育に持ち込めばよいのだ。
その前段階である義務教育段階では、不必要だ。

よって、小中学校では、授業の中で一切触れる必要がない。
ということは、生成的AIは、使用不可ということだ。
すのぐらいの割り切りをもって望まない限り、
文科省が出す指針が有効に機能するとは思えない。

◇どんどん、人間が頭を使わない、気持ちを使わない、
体を使わない、そのような状況になっていくことを危惧する。
人間という動物が、動物でなくなってしまうことに対する歯止めは、どこで一体するのだろうか。
教育からすることだと思うが、どうだろうか。