年収制限を撤廃して高校の完全無償化は必要か?

大阪府の高校完全無償化「学校負担増」近隣府県私学団体が参加拒否(毎日新聞 11月7日)
 
大阪府が導入を目指す所得制限のない高校授業料無償化の新制度案を巡り、大阪を除く近畿5府県の私学団体は7日、府の補助上限を超える分を全額学校負担とする仕組みの撤回を文書で申し入れた。

府は新たに府外の私立高校に通う府民の生徒も対象とするため、5府県の私立高校に新制度への参加を呼び掛けているが、私学団体が実質的に「拒否」した形だ。私学団体の意見は個別の高校を拘束しないというが、多くの高校の判断に影響を与えそうだ。
 
大阪府の新制度案は、施設整備費を含む年63万円を「標準授業料」(補助上限)と定め、それを超える分は保護者の世帯年収に関わらず全額を学校負担とすることで保護者負担を実質ゼロにする仕組み。2024年度から段階的に導入し、26年度の「完全無償化」を目指す。
現行制度でも一部は学校負担となっているが、府内の私学団体は「所得制限撤廃で学校の負担が増大し、教育の質の低下につながりかねない」と反発。
府が標準授業料や経常費助成を増額することで合意した。

府は新制度導入に伴って、大阪以外の近畿5府県の私立高校に通う府民の生徒(22年5月時点で8342人)にも対象を拡大。
しかし、和歌山を除く京都、兵庫、奈良、滋賀の4府県では、22年度の授業料の平均が63万円を上回っており、大阪の新制度に参加すれば学校の負担増が必至だ。
 
申し入れ書は吉村洋文知事宛てで、和歌山を含む5府県の私立中学高校連合会や私立中学高校協会が連名で提出した。補助上限を超える分を全額学校負担とする仕組みは授業料の統制に当たるとして、「断固反対」を表明。「(補助の)上限を超えた学校では、大阪府から入学した生徒がその他の生徒の授業料で教育を受けることになり、不公平」と指摘した。一方、府の無償化制度の趣旨は歓迎し、学校負担のない授業料支援制度を要望した。
 
新制度への参加は個別の学校判断に委ねられるが、京都府私立中学高校連合会の佐々井宏平会長は「5府県の私学団体は反対で一致している」と強調した。(省略)

https://mainichi.jp/articles/20231107/k00/00m/040/301000c

前回は、大学入試に対する支援の記事を取り上げたが、今回は、大阪府の高校の完全無償化について取り上げる。

年収制限の撤廃は、本当に必要なのか。高収入の家庭に、高校の無償化は必要なのか。
私は疑問だ。義務教育ではないのだから、ある程度の年収の家庭の子女に、高校を無償化する必要はないと考える。

現行の590万円以下の世帯年収の子女に対しては、支援をする必要があるのではないかと思うが、それを年収900万円以上の子女にも支援をするのは、明らかに政治対策ではないか。維新の会の人気取り以外の、何物でもないのではないか。

補助の上限を超えた分を学校が負担するとなれば、学校は、授業料以外にも生徒から別名目で資金を獲得する必要がある。
それが結局、低所得世帯の子女にも及ぶとなれば、本末転倒だ。私学は、市場経済の中で経営を行っているのだから、死活問題になる可能性もある。
全私学に一律に影響を与えるような施策を一方的にとるべきではない。