常識を知らない指導者・管理者!

女子生徒の楽器くわえ指導 大阪市立中の男性職員、校長「重い問題と認識せず」(産経新聞 3月8日)
 
〇大阪市立中学校の吹奏楽部で、
令和2年度まで在籍していた部活動指導員の60代男性が指導の一環として、
女子生徒らが使う楽器や手鏡をくわえたり、
腹部を触ったりしていたことが8日、学校関係者への取材で分かった。
学校側は生徒から相談を受けて男性に事実を確認したが、
校長は昨年末に外部から指摘を受けるまで市教育委員会に報告していなかった。 

〇同校によると、男性は平成31年4月から吹奏楽部を指導。
部活動中、女子生徒が使うクラリネットなどの管楽器に直接口をあてて吹き方を指導したり、
生徒の私物の手鏡をくわえて口の広げ方を見せたりした後、洗わずに返却した。
また呼吸法の指導として、並べた机の上に生徒を寝かせて腹部を触ったほか、
生徒を背後から抱きかかえる姿勢で演奏時の指の動きを教えたという。

〇令和2年に複数の女子生徒が教員に相談。
男性は校長の聞き取りに「生徒が嫌がっているなら申し訳ない」と認めた。
校長は昨年末に外部の指摘を受けて初めて市教委に報告したが、
当時の生徒の保護者には説明していなかった。
男性は3年春に別の市立中に異動し、現在も吹奏楽部で指導を続けている。 

〇校長は取材に「男性は芸術家肌で悪気はなかったように感じた。
重い問題だと認識せず、市教委に報告していなかった」と述べた。
部活動指導員は学校教育法に規定された学校職員。
校長の監督のもと、部活動の技術指導や大会への引率などができる。

https://www.sankei.com/article/20230308-VFXPZBIBSFJTPFTYBRLXTLCLQU/


◇今回も、学校の非常識についての記事を取り上げる。
今回の事件の異常さは、生理的な嫌悪感を伴った指導、
それも、明らかに男性部活指導員のセクハラ的行動が、多分に生徒の目の前で行われたことだ。
そして、もう一つ、驚くべきことは、
そのようなセクハラ的行動の事実を知った校長の見識のなさと指導性のなさだ。

◇記事によれば、この男性指導員は、意図的セクハラをしていると思われる。これが、時代的認識だ。
昭和時代ならいざ知らず、平成、令和と時代が移り、人権思想がますます敏感に意識され、
セクハラ感覚が世間に広まった今、この指導に生理的嫌悪を感じない人間がいるだろうか。
そして、さらに驚くべきことは、その事実を知った校長の次の発言だ。
「男性は芸術家肌で悪気はなかったように感じた。重い問題だと認識せず」とまで言っている。
このような不見識な人間が校長にまでなってしまうのだ。
学校の管理職試験のあり方、任命のあり方をもう一度考えなければなるまい。

◇このような学校の不祥事を見るたびに感じるのは、
社会的常識がなぜ、学校の世界では、基盤にならないのかということだ。
まずは、社会的常識が必要なのだ。
そして、その上に教育的常識が機能しなければならないのではないか。
指導の名目で何でもかんでも許された時代は、もうとっくになくなっているのだ。
そのことを自覚することだ。