中学受験はある種、誰かが支配するもの!
教室で9歳女児にわいせつ言動を強要、盗撮か 四谷大塚の元講師逮捕(朝日新聞 8月19日)
〇教え子の女子児童にわいせつな言動をさせて盗撮したとして、
警視庁は19日、大手中学受験塾「四谷大塚」の
元講師の森崇翔(そうしょう)容疑者(24)=東京都日野市=を
強要と都迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで逮捕した。
容疑をおおむね認め、「危害を加えるつもりはなかった」などと話しているという。
〇捜査関係者によると、同塾の社員として勤務していた5月上旬、
都内の教室で「勉強しないとお仕置きする」などと教え子の女子児童(9)に言い、
下着が見えるような姿勢を取らせて「おしりペンペンされます」などと言わせた疑いがある。
その様子を自分の胸ポケットに入れたスマートフォンで撮影した疑いもある。
〇この日、女児は授業を受ける予定はなかったが、
森容疑者から親を通じ、指導名目で教室に呼び出されたという。
女児の親は「勉強をしない娘をしかってくれるのだと思っていた」と話しているという。
〇警視庁は、森容疑者が塾に通う複数の女児を盗撮していたとみている。
その動画を複数の人間が参加するSNSのグループチャットに投稿したとする情報もあるという。
〇四谷大塚は1954年の設立で、関東で34の校舎を運営する。
森容疑者は2022年4月から同塾の正社員として勤務し、
事件発覚後の今月10日に懲戒解雇された。
〇四谷大塚は取材に、「このような人物を採用したことについて猛省し、
使用者としての責任を痛切に感じている。
ご心配、ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません」とコメントした。
今後の対策として、全ての校舎を対象に講師やスタッフが撮影機器を教室内に持ち込むことを禁止し、
保護者が授業の様子をネットを通じてリアルタイムに確認できるシステムを導入するという。
(大山稜)
◇集団指導の進学塾は、講師の独壇場だ。
講師の指導、講師の子ども対する接し方で合格が決まると、生徒も保護者も思い込まされている。
それは、中学入試という合格が保障されていない、選抜だから。
高校入試は、学校の内申点である程度守られている入試だが、中学入試はそうではないのだ。
だから、どこの塾に行くか、どの講師に見てもらうか、ここが重要なのだ。
◇今回は、多分、小学校4年生のクラスを指導していた容疑者が、
補習の名目で女子児童を呼び出して、密室でわいせつな言動をとったのだろうが、卑劣極まりないものだ。
合格という目的に即した補習を餌に、個人を一人づつ呼び出して、
容疑者は狙いをつけていたのだろうか。酷いものだ。
◇ところで、進学塾は、補習の際は、その校舎の責任者が許可をしない限り、
個人対個人の補習(生徒一人の、特に女子の)は出来ないところが多いが、
四谷大塚ではそうではなかったのだろうか。ここは疑問である。
それは、中学入試という不合格になる可能性が大きい受験の指導だから、
講師に絶対的に、権力が委譲してしまう世界なのだ。
この世界で、講師が自由になれば、何が起こるかわからないのが、昨今だ。
職業倫理などというものが、昨今は歯止めにはならない。
とすれば、三権分立ではないが、校舎責任者・講師・保護者がしっかり権力チェックをすることだ。
これは学校でも同じだろう。バランスオブパワーを塾の校舎運営上しっかり確立しておくことだ。
今回の事件は、個人の資質の問題でもあるが、
校舎運営上の問題として大いにあるところだと思う。