教科書に載せる素材は、時代迎合的で良いのか?

フワちゃんの写真、教科書から削除へ SNSの投稿「不適切」と判断(朝日新聞 8月9日)
 
〇来春から使われる中学の技術・家庭(家庭分野)の教科書に掲載予定だったタレント・フワちゃんの写真が、削除されることになった。
本人がSNSに不適切な投稿をしたことが理由という。
発行元の教科書会社「開隆堂出版」(東京都)は取材に対し、「文部科学省に訂正申請を行った」と明らかにした。
 
〇フワちゃんの写真を載せる予定だったのは、「衣服のはたらき」を紹介するページ。
「自分らしさや個性をあらわす例」として、ハロウィーンの仮装をする子どもらとともに、フワちゃんの写真を採用していた。
本文ではフワちゃんについては触れていない。
 
〇教科書は今年3月に文科省の検定を通過したが、8月に入ってSNSへのフワちゃんの投稿が問題となり、同社としても投稿内容が不適切だったと判断。削除を決めたという。
 
〇教科書をめぐっては今年、中学3年生向けの英語で、大リーグ大谷翔平選手の専属通訳だった水原一平氏を紹介する予定だった別の教科書会社が、違法賭博をめぐる水原氏の疑惑が報じられた後に内容を修正した例がある。(上野創)

https://www.asahi.com/articles/ASS892J9CS89UTIL014M.html

 教科書に載せる素材は、今流行っていることを載せて、生徒の興味関心を引こうとするものなのだろうか。
今流行っていることは、そのうち陳腐になるものだ。
そして、簡単に言えば、全員が全員、流行っていることを受け入れているかどうか、わからない。
つまり、教科書にそのような流行りものを入れて、生徒の興味関心を引こうとしてはいけないということだ。

 このあまりに短絡的な発想を教科書会社はやめるべきだし、もっと深く、学ぶべき内容を考えることだ。細部にわたって。
今回の件は、教科書会社の選択が稚拙すぎる。それは、時代に迎合することを第一義に考えたからだ。
時代に迎合する教科書つくりは避けた方が良いことは、歴史が証明してくれているはずだ。
そのことを忘れてはいけない。