政治の世界も建前をもっと大切にするべきだ!

ガーシー氏「帰国すれば不当な罪が」 参院議長は懲罰委で処分検討へ(朝日新聞 2月8日)
 
尾辻秀久参院議長は8日、アラブ首長国連邦(UAE)に滞在したまま国会欠席を続ける
NHK党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員を国会法の規定に基づき、懲罰委員会に付託することを決めた。
10日に懲罰委を開き、除名などの処分を検討することで与野党が合意した。
 
ガーシー氏は昨年7月の参院選比例区で初当選して以来、
海外渡航届を参院に3度不許可とされながらも帰国せず、一度も国会に出席していない。
尾辻氏は1月30日にガーシー氏に「招状」という出席を促す文書を出したが、
それから7日以上経過した8日の参院本会議も欠席。尾辻氏が懲罰委付託を決定した。
 
これに先立ち、N党の立花孝志党首が招状に対する回答を尾辻氏に手渡し、
ガーシー氏が帰国すると「不当な罪を着せられる恐れがある」と反発した。
立花氏は、その後の記者会見で「除名になったとしても次の参院選に再び立候補させたい」と語った。
 
参院事務局によると、招状を出したのは、1949年に欠席を続けた4人のケース以来、74年ぶり。
招状の発出を経て懲罰委に付されるのは初めてという。
今後、議場での戒告▽議場での陳謝▽一定期間の登院停止▽除名の中から処分が検討される見通しだ。(磯部佳孝)


私のコメント

今回の記事で不思議なのは、「だったら、政治家に立候補するな!」と誰も言わないことだ。
そして、「そんな人間を誰が選んだんだ!」と誰も言わないことだ。
教育の世界とは、子どもを大人の世界に移行させるための、仮想空間・時間だ。
だからこそ、教育の世界では、基本的に建前がまかり通る。それは、平時の政治の世界も同じだ。
だから、本音をオフレコで言っても、それがあまりにもひどいものなら、役職をクビになるし、
法に触れることなら、国会議員を辞職するはめになる。
しかし、今回は、マスコミも含めて、その是非論はない。ただ、報道をするという姿勢だ。それが不思議だ。

◇今回の記事では、政治家になろうと自分から立候補した人間が、
当選したにも関わらず、変な言い訳をつけて、職場に出勤しないということだ。
出勤拒否をしているということだ。しかし、給与は支払われているはずだ。
これがまかり通るとすれば、建前の世界が、崩壊してしまう。
だから、懲罰委員会にかけようとしているのだろうが、
大人の世界が、しっかりしないことには、子どもは、しっかりとした大人に育ちようもない。

少なくとも、公共性の高い職業の人間が、こんなことではダメだ。
彼が、政治的にどんな信条があるか、私はわからないが、子どもたちにしっかり説明できる政治姿勢でいてほしいものだ。
そして、私たちは、ただただ珍しいだけで、国会議員を選ばないことだ。将来のためにも。